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2009年08月25日

東京家裁へ、Kネット参上

福永課長登場

「ざくっと聞きたいんですけど、どうやったら家裁よくなるのか、教えてくださいよ」
総務課長の福永さんに向けて今回はこう切り出した。
12時から家裁前で恒例の宣伝活動をした後、6人で家裁総務課に今回は公開質問状を届けに行った。
東京家裁は親子ネット時代に3回来たはずなので、今回は4回目になるのだけれど、総務課長はこれまで岡下さんだった。今年の春異動したらしく、今回はさいたま家裁にこれまでいた福永さんが東京家裁の総務課長になっていた。課長補佐は竹村さん。
さいたま家裁では親子ネットとKさん事件の会で2回福永さんと話しているので、今回は3回目。すでに顔なじみである。
「いつも会が違っていてすいません」と言いつつ、昨日できたばかりのリーフレットと29日の発足集会のチラシ(裏面に朝日タウンズの記事が載っているもの)を福永さんに挨拶代わりにわたす。

毎回申し入れに行っても、1年間なんら変化もないし、まともな回答も来ないので、今回は文書での回答を求めるという1点を獲得目標にして、公開質問状という形式をとった。
「聞き置く」というだけのいつもの対応をいかに突き崩すかというのが課題なわけだけれど、ちょっと家裁内部のことをいろいろ聞きたくて、あれこれ聞き出そうとしたのだけれど、福永さんはあいまいにこたえるだけできちんと答えない。
「なんか文書で回答しちゃいけないなんて決まりがあるんですか。内規でもあるんだったら見せてくださいよ」
なんて食い下がったわけだけれど、答えないということはつまりないということだ。
「ぼくらも家裁に文句言うためだけにきてるわけじゃなくて、家裁をよくしていきたいと思ってきてるんですよ。よくなってもらわなきゃぼくらが困る」
「でも裁判官は独立していますし、個々のケースに応じて決定も違うと思います。それに不服があれば三審制ですから」
「あのね、裁判官は独立しているのは知ってますけど、同じ法律なのに、何で年に3回写真送付だけだったり、あるいは毎週会えるなんて決定が出たり、こんなに違うんですか。賭け事しに家裁に来ているわけじゃないんですよ。
裁判官だって、時代に応じて決定は変わってきているし、世論を受けて決定を変えてきているわけでしょう。だったら、実務のあなたたちが私たちの声を現場に伝える必要があるでしょう。わざわざ声を届けているんだから。
それで現場の人たちが私たちの意見についてどういう意見を持ったかというのを教えてくださいよ。そうじゃないと、変わらないでしょう。それがあなたたちの事務方の仕事じゃないんですか」
30分間、同じことをねばったから、「回答しません」とは福永さんも答えなかった。
「回答できないならそう書いて送ってください。それもHPで公開しますから」
と念を押して、会談を終えた。この人、自分の意見を言わないからほんとやりにくい。
それでも最後にアメリカ人のSさんが、福永さんにテレビ番組のことで注文をつけたときは、なぜかぼくに目で助け舟を求めてきたわけだけど、見なかったことにする。
「なんでこんなに秘密ばっかりなんでしょうかねえ」
いっしょに行ったHさんがぼやいていた。

公開質問状は、全家裁に送る予定です。どういう答えが返ってくるのかな。


2009年8月25日
東京家庭裁判所所長様
東京家庭裁判所の職員のみなさま

面会交流についての家裁の運用改善についての公開質問状


〒186−0004
東京都国立市中3−11−6スペースF内
共同親権運動ネットワーク(kネット)
T・F 042−573−4010
共同代表 植野 史、宗像 充

 私たちは離婚・離別にともない、子どもと会えなくなっている親のグループです。
昨年より、共同親権・共同子育てが可能な法整備を求めて立法府に働きかけてきたほか、意味のある面会交流(面接交渉)が実現するように、東京周辺の家庭裁判所を訪問し、たびたび家庭裁判所の運用の改善を求めてきました。
しかし、私たちが指摘してきた諸点について、実務面で家裁が別居親子の人権に配慮した改善を目に見える形で行ってきたという報告は、私たち当事者団体には寄せられていません。
 そこで私たちは、家裁の運用面での改善に向け、家裁がどのような意向を持ち、どのような問題を抱えているのかを調査するための公開質問状を全国の家裁の所長向けに提出します。同時に、このような質問が行われていることを周知するために、あて先には家裁の職員も含めるほか、当会のHPおよびブログで質問状の内容を公表します。
 また、各家裁からの回答もHPおよびブログで公開するほか、回答のなかった家裁についても、「回答なし」と表示して結果を公表します。
 別居親子の人権救済に向けて、人権救済機関である家裁の主導的な役割を期待するとともに、誠意ある回答をお待ちしています。
 回答は、9月30日までに郵便にてお寄せください。

質問1 家裁での面会交流の取り決めとその違反について、「強制力がない」ため調停や審判においても、家裁が合意に向けて積極的な役割を果たしてくれないという意見があります。一方、履行勧告や間接強制、慰謝料請求などの手段が「強制力」として機能するという意見があります。貴裁判所は、面会交流の取り決めとその違反について、「強制力」が実際にあると思いますか。


質問2 裁判所の職員の中に親の離別後の子育てについて「子どもの福祉」についての統一的な見解がないため、家裁でさまざまな理由で面会交流が制約されるという意見があります。他方、裁判所のホームページでは、家裁のプレイルームについて触れた文章の中で、面会交流について肯定的な見解が述べられています。貴裁判所は、「原則的に親の離別後も意味のある面会交流をすることが『子どもの福祉』にかなう」という意見について、どう思いますか。


質問3 家裁のプレイルームで行われる「試行面接」について、親子関係を家裁が試すという点で「試行面接」という名称の使用をやめてほしいという意見があります。また、マジックミラー越しに同居親が別居親子の様子を伺うことについて、別居親には強い抵抗があり、人権侵害であるという批判があります。貴裁判所は、「試行面接」という名称の使用、および家裁で行われる面会交流のあり方について、改善の意思がありますか。また改善の意思のある場合、どのようなやり方を考えていますか。
 
質問4 家裁は一度目の親による子の連れ去りについては不問とみなし、他方2度目の子の連れ去りについては問題視するため、調停の期間中、トラブルを恐れて面会交流はしないという慣行が家裁にはあるという意見があります。そのことが現状維持を肯定し、監護者指定の判断を公平なものにしていないという批判もあります。他方、親どうしの葛藤の高まり、親の離別にともなう子の負担を考えると、調停中も面会交流がなされるべきだし、親による子の連れ去りについては、家裁がそれを肯定すべきではないという意見があります。このような意見について貴裁判所はどのように考えますか。


質問5 面会交流については、調停の期間が長引けば別居親子の関係に悪影響があり、子への負担が大きくなるため、なるべくその期間を短くすべきという意見があります。この点について、貴裁判所はどのように考えますか。また別居親子の引き離しの期間を短くするための運用の改善をする意思がありますか。その場合、どのような取り組みがありますか。


質問6 面会交流を円滑に実施するため、最高裁の作った面会交流についてのDVDを家裁では用いていますが、その活用の仕方は恣意的であるという意見があります。今後、面会交流を円滑に実施するためにDVDの活用ほか、別居・離婚に望むカップルにどのような親教育をすることを考えていますか。また、それが可能になるために、家裁職員にどのような研修を現在し、今後する予定ですか。


質問7 離婚や面会交流の調停の申し立てに対し、監護親が調停に出席しないため調停が実施できなかったり、あるいは、調査官調査について調査官が監護親の側の調査しかしなかったり、その調査のあり方も監護親の聞き取りのみしかしなかったり、家裁の運用が監護親を優先し、公平ではないという批判があります。このような意見について貴裁判所はどのように考えますか。また、そのような批判に対して、今後研修等何らかの取り組みをする用意がありますか。


質問8 「開かれて身近な」家裁を実現するために、今後、別居親当事者の意見を貴裁判所の運用面で生かす意向はありますか。また、もしその意向があるなら、どのような方法を考えていますか。

posted by 国立さくら at 17:08| Comment(0) | Go! 裁判所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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