なお、裁判官の独立はあっても、差別発言やセクハラ、パワハラなどの職員の対応についての苦情は、総務課が窓口として対応するそうです。
その後お昼休みの1時間、裁判所前で署名集めとチラシ配りをしました。
※国会勉強会で多忙になったために以後中断していた家裁前宣伝・申し入れは、Kネットとして継続・再開します。次回は、8月25日に東京家裁の予定です。
離婚及び面接交渉調停の家裁の運用面での改善を求める要望書
2009年1月15日
東京家裁所長様
東京家裁主席調査官様
親子の面会交流を実現する全国ネットワーク
国立市中3−11−6スペースF内
TEL042−573−4010
宗像 充
国立市中3−11−6スペースF内
TEL042−573−4010
宗像 充
私たち別居親は、昨年より度々、離婚・別居時における面会交流(面接交渉)に関する案件の家裁での運用の改善を求めています。昨年は、東京家裁のほか、埼玉、千葉、横浜、八王子の各家裁と東京高裁に同様の申し入れを行ないました。また私たちは、立法、及び行政においても、親子の引き離し状況の改善を重ねて求めています。現時点で8つの自治体が裁判所に対し、面会交流への支援を求めています。しかし、昨年私たちが申し入れた要望事項について、各家裁が目に見えた改善を行なったということを、頻繁に会員が各家裁を利用している私たちの会で耳にすることは、残念ながらできませんでした。
別居・離婚後、離れて暮らす親子が頻繁で継続的な直接の接触を維持することは、子どもの権利条約9条でも認められ、共同親権、共同監護は世界的な趨勢です。繰り返しになりますが、離婚や面接交渉事件を扱う家庭裁判所において、子どもの連れ去り、親子の引き離しを安易に容認する条約無視の実務がなされています。私たちは別居、離婚後も親子が普通に会えるように、調停や裁判での運用の改善を求めて重ねて要望します。同時に、人権の救済機関であるべき裁判所に対し、離れて暮らす親子の人権を回復するために早急な対応を求めます。
今年もよろしくお願いします。
要望事項
1. 家裁委員会など、家裁内での学習会で、面会交流と「子どもの最善の利益」について共通見解を得るための研究、学習を行なってください。また、家裁委員会に別居親当事者を出席させてください。
2. 離婚後も親子が頻繁で継続的な接触を持つことが、子どもの最善の利益であるという考えに基づき、調停の実務を行なってください。また、親子の引き離し行為を安易に追認しないよう、調査官や調停委員の研修を3以下の要望事項を具体的に問題提起しながら行なって下さい。
3. 離婚及び面接交渉調停の中で、面会交流についての親と子の権利義務、法的な位置づけ、判例の傾向、合意を破った場合の履行勧告や間接強制などの手続きを双方の親に説明して下さい。
4.親子の引き離しによる親子双方の悪影響を避けるため、月1回や隔月といった根拠のない面会基準を排し、子どもの年齢に応じた具体的な面会交流に関するガイドラインを作成してください。また充分な面会交流の確保によって、現行法下でも共同監護は可能なので、調停実務担当者は、双方の親に、そのことについて説明してください。
5.面会交流が親の養育権を保障するための手段でもある以上、Eメールや手紙、写真の交換などの間接的な方法は、直接的な面会交流に代替するものではありません。間接的な方法によって直接的な親子の交流を阻害するような調停合意はしないよう、双方の親に説明してください。
6.面接交渉調停については、ガイドラインに基づいた迅速な合意を促し、調停が長期化しないよう調停の運用のしかたを変えて下さい。
7. 別居時における親子の引き離しを避けるために、離婚など他の調停と面接交渉調停を切り離し、暫定的な合意にせよ、親子の引き離しが長期化しないよう努力してください。
8.調停調書については、子どもが双方の親から養育を受ける権利を有することを前提に、方法や休日・祝日の過ごし方、長期休暇、進学や保育・学校への別居親のかかわりなど、詳細な点まで含めて合意が得られるようにしてください。
9.履行勧告手続きの結果報告は電話ではなく、文書での報告をしてください。
10.面会交流は本質的に別居親と子どもとの関係を維持することであり、「試行面接」を同居親が観察することは原則やめてください。また、「試行面接」という呼称は親子関係を第三者が決めるのが当然であるかのような誤解を与えるので、使用しないでください。
11.当事者が希望すればビデオの録画、音声の録音などを原則自由とするなど調停を可視化してください。
12.子どもへの面会を取引材料にする同居親、弁護士に、家裁関係者は毅然とした態度をとってください。
13.調査官は、同居親の養育環境を観察するだけでなく、双方の親の養育環境をソーシャルワーク的な視点から調査して下さい。
15.調停委員、調査官に「片親引き離し症候群」(PAS)とその対応について周知してください。「子どもが会いたくないと言っている」といったような同居親の説明や、表面的な子どもの意向調査を、面会拒否の理由として扱うことはしないでください。
16.調停中、調停後にかかわらず、調査官報告書は当事者の求めがあれば原則開示としてください。また開示できない場合には、具体的な理由を説明してください。
17.調停委員については、その採用の基準を明らかにしてください。また、離婚と面接交渉を担当する調停委員は、法律や児童心理について専門知識のある人物を当てて下さい。
18.調調停の席でのセクハラ、パワハラ行為を防止する家裁関係者への教育、啓発活動を行ってください。また告発があった場合には、事実関係を調査し厳重な処分を加えてください。
19.面会交流についての最高裁判所の作ったDVDを調停時に積極的に活用してください。またどのような場合に調停当事者に見せるのかの基準を明確にしてください。
20.親どうしの葛藤と親子関係を分けて考えるための親教育プログラムを裁判所の責任で実施してください。
請願法に基づく市民の要望に対する官公庁の良識的な対応として、回答は2月20日までに上記住所まで書面にて郵送してください。
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